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2025/07/28

お子さまのお口の機能、ちゃんと育っていますか? 〜口腔機能発達不全症をご存知ですか?〜

こんにちは。
さいたま市南区鹿手袋のいちかわ歯科、院長の市川賢一です。
中浦和・武蔵浦和エリアの皆さまに支えられて、地域の「かかりつけ歯科」としてお子さまからご高齢の方まで幅広く診療を続けています。

前回のブログでは、私がついに『サザエさん』の波平さん(54歳)を越え、55歳になったことをお話ししながら、
年齢とともに無自覚に進む「口腔機能低下症」についてお伝えしました。

今回はその子ども版のお話です。
実は、大人だけでなくお子さまにも“お口の機能の発達の問題”が増えているのをご存知でしょうか?

子どもにもある「口腔機能発達不全症」とは
お子さまのお口の機能は、生まれてから18歳ごろまでに順序よく発達していきます。
母乳やミルクを吸う力、舌の動き、飲み込む力、噛む力、前歯でかぶりつく力……
こうしたお口の成長は、離乳食の進め方や食べ方の習慣、姿勢など、日々の生活習慣と深く関わっています。

ところが最近、軟らかい食べ物ばかりを好んで食べる、飲み物で流し込むクセがついているなど、
便利で豊かな食卓の裏側で「十分にお口の機能が発達していないお子さま」が増えています。
これを『口腔機能発達不全症(こうくうきのうはったつふぜんしょう)』と言います。

サザエさんの食卓から学ぶこと
『サザエさん』の食卓を思い出してみてください。
ご飯に味噌汁、おかずがいくつか並んでいますが、そこに“コップの飲み物”は置かれていません。
実はこれこそが理想の形なんです。

本来、食べ物はしっかり噛み砕き、唾液と混ぜて、舌をよく動かしながら飲み込むもの。
ところが、現代の多くのご家庭では「お茶や牛乳、ジュースを用意して、食べ物を流し込む」という習慣が当たり前になっています。
飲み物で流し込むことがクセになると、噛む力や舌の動きが十分に発達しなくなり、
将来的に発音が不明瞭になったり、歯並びや顎の成長にも影響することがあります。

口腔機能発達不全症も保険適用での検査が可能です
「うちの子、大丈夫かな?」と気になった方もいらっしゃるかもしれません。

実は、口腔機能発達不全症は現在、健康保険で検査・指導管理が受けられます。
生後の哺乳期から、哺乳が完了した後、そしてなんと18歳までのお子さまが対象です。

いちかわ歯科では、お子さまの歯の健康チェックだけでなく、
お口の機能が正しく発達しているかどうかを専門的に検査し、必要に応じて保険適用での指導管理を行っています。

詳細については、歯科医療メーカー(株)GCのホームページにもわかりやすく紹介されていますので、
ぜひご家族でご覧ください。
👉 https://x.gd/RVe7A 乳幼児のお口の機能の発達について

健やかなお口の発達のために!3つの生活習慣ポイント
いちかわ歯科では、特にお子さまの正常な口腔発達のために、
ご家庭で実践していただきたい【3つのポイント】をお伝えしています。

① 食卓に飲み物を置かない
まず一番大切なのは、食事中に飲み物で食べ物を流し込まないこと。
食事中の水分は、唾液の働きを邪魔してしまいます。

みそ汁やスープなど料理の一部は問題ありませんが、
コップのお茶やジュースなどは食後か食前に水分補給として必要量だけ摂るようにしましょう。

② 前歯でかぶりつける食材を用意する
「前歯でかぶりつく」経験は、顎の成長を促し、歯並びにも良い影響を与えます。

例えば、にんじんやキュウリなどをスティック状に切ってそのまま食べる、
食パンは耳付きでトーストし、しっかりした具を挟んで大きめにかぶりつくなど、
お子さまが前歯を使いやすい形に調理してみてください。

③ 椅子の座り方と足のつき方を見直す
咀嚼の姿勢もとても大切です。

椅子に座るときは、必ず足の裏が床にペタッとつく高さに調整してください。
お子さまの足が浮いてしまう場合は、踏み台を用意したり、ステップの高さを変えられる椅子を選ぶのも良い方法です。

正座や胡坐で食べるときも、猫背にならないように気をつけて、
背筋を伸ばして噛むことができる姿勢をつくってあげましょう。

生まれる前から始まっているお口の成長
近年では「マタニティ歯科」という考え方が広がってきましたが、
赤ちゃんのお口の健康はお母さんのお腹の中にいるときから始まっています。

妊娠中の栄養バランス、産後の哺乳の仕方、離乳食の進め方、そして幼児期の食習慣……
毎日の積み重ねが、お子さまの一生の健康に繋がっていきます。

「そんな小さなことが将来に影響するの?」と思うかもしれませんが、
一つひとつの習慣が積み重なり、しっかり噛めるお口を育てます。

気になることはお気軽にご相談ください
中浦和・武蔵浦和エリアで、お子さまの歯並びやお口の発育が気になる方は、
ぜひ一度、いちかわ歯科までご相談ください。

「うちの子、飲み物で流し込むクセがあるかも」
「ちゃんと噛めているか心配」
「姿勢が悪い気がする」

どんな小さなことでも大丈夫です。
私たちと一緒に、子どもたちの大切なお口の健康を守っていきましょう!

医療法人H-P Smile いちかわ歯科
院長 市川賢一
さいたま市南区鹿手袋
【中浦和】【武蔵浦和】から通いやすい歯科医院です。