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2025/10/17

子どもの口呼吸は要注意!~鼻呼吸で歯並びと健康を守る方法~

こんにちは。武蔵浦和駅近くの「いちかわ歯科」院長の市川です。

 

今回は、当院で最近よく患者さんやご家族にお伝えしている「口呼吸をやめて、鼻で呼吸をしましょう」というテーマについて書きたいと思います。

日常生活の中で「お口ポカン」と呼ばれる、口を開けたままの状態になってしまう方が増えています。

特に小さなお子さんに多く見られ、歯並びやかみ合わせ、さらにはお顔立ちにまで影響を与えるとが分かっています。

 

【口呼吸ではなく鼻呼吸を】

私たちの体は、本来「鼻呼吸」が基本です。
鼻には外気を温めたり、湿らせたり、細菌やウイルスをろ過したりする機能があります。口呼吸をしてしまうと、こうした自然のフィルターを通さずに空気を体内に取り込むため、風邪をひきやすくなったり、アレルギー症状が悪化したりすることもあります。

また、口が常に開いていると唾液が乾燥し、むし歯や歯周病のリスクも高まります。歯科の立場からも「鼻呼吸の習慣を身につけること」はとても大切です。

 

【唇を巻き込むクセに注意】

最近よくお話しするのが「唇を巻き込んでしまうクセをやめましょう」ということです。
緊張した時、無意識に唇を内側に巻き込むようにしてかんでしまう方がいらっしゃいます。

これは一見すると小さな動作に見えますが、実は自律神経の働きと深い関わりがあると考えられています。

唇を巻き込むクセは、交感神経が優位になっている状態、つまり体が過緊張のサインを出している可能性があります。

普段からこの習慣が続くと、口の周りの筋肉のバランスが崩れ、歯並びや噛み合わせの成長にも影響を与えてしまいます。

 

【メジャーリーガーの工夫から学ぶ】

少し違った視点からお話しすると、野球ファンの方ならご存知かもしれませんが、メジャーリーガーの大谷翔平選手が打席に立つ時、唇や頬をふくらませている姿を見たことはありませんか?

実は、イチロー選手から伝授された方法だといわれているようです(参考記事はこちら)。
これは唇を巻き込むのとは逆で、呼吸や表情を工夫して体の余分な緊張を解きほぐし、スムーズなスイングを生み出すための方法だと考えられます。

プロスポーツの世界でも「呼吸や口の使い方」がパフォーマンスに大きく関わっていることが分かります。

それほど口元の動きは、人間の体にとって重要なのです。

 

【成長期のお子さんは特に要注意】

特に成長期のお子さんの場合、唇を巻き込むクセや口呼吸の習慣が続くと、歯並びや噛み合わせに影響が出やすくなります。
具体的には、出っ歯や受け口、開咬(前歯がかみ合わない状態)などの不正咬合につながりやすくなり、さらには顔の形そのものにも変化を及ぼすことがあります。

毎日の小さなクセが将来のお口の健康やお顔立ちに直結することを、ぜひ知っていただきたいと思います。

 

【ご家庭でできるトレーニング】

では、どのように改善すれば良いのでしょうか。
まずは「お口は閉じて鼻で呼吸する」という意識を持つことが第一歩です。

加えて、ご家庭でできる簡単なトレーニングを取り入れると効果的です。

遊び感覚でできるものをいくつかご紹介します。

①にらめっこ
口をしっかり閉じる習慣をつけるのにおすすめです。笑ってしまっても構いません。

楽しく遊びながら口の周りの筋肉を鍛えることができます。

②風船をふくらませる
息をしっかり使い、口の周りや頬の筋肉をバランスよく使うトレーニングになります。

③ストローで水にブクブク
ペットボトルに少し水を入れて、ストローで息を吹き込む遊びです。お子さんも楽しみながら呼吸筋を鍛えられます。

これらはすべて、お子さんが楽しみながら自然と口を閉じる力や鼻呼吸の習慣を身につけられる方法です。

 

もし「うちの子はいつも口が開いている」「唇を巻き込むクセがなかなか治らない」といったご心配があれば、

どうぞお気軽にご相談ください。
成長期の大切な時期に適切な指導を受けることで、将来の歯並びやかみ合わせに良い影響を与えることができます。

いちかわ歯科では、お子さん一人ひとりの生活習慣や成長のペースに合わせて、無理なく続けられるアドバイスを心がけています。

 

口呼吸や唇を巻き込むクセは、つい見過ごされがちですが、実は将来のお口の健康や全身の健康に直結する大切な問題です。
今日からできるちょっとした工夫で、お子さんも大人の方も、より健やかな呼吸習慣を身につけることができます。

「お口は閉じて、鼻で呼吸する」――ぜひご家庭でも意識してみてください。

医療法人H-P Smile いちかわ歯科
院長 市川賢一
〒336-0031 さいたま市南区鹿手袋
【中浦和駅】【武蔵浦和駅】からのアクセスも便利です。
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